専攻長メッセージ
一人ひとりと向き合う少人数教育
本学法科大学院は,東京都立大学大学院の「一人ひとりを徹底的に鍛える教育」の伝統のもと,2004年の創設以来,コミュニケーションと信頼関係を重視した心の通った少人数教育を実践してきました。私たち教員は,質疑応答(ソクラテスメソッド)も交えた授業を全力投球で行うとともに,授業の前後の質問や全ての専任教員が設定しているオフィスアワーを通じて,各学生の個性に応じたきめ細かな指導をしています。学習において,じっくりと判例や体系書等の文献を読み込むこと,問題・課題について自分の頭で考え抜くことが重要であることはいうまでもありませんが,法的な問題への理解を深め,自らの議論の説得力を高めるためには,他者との会話・議論もきわめて重要です。学生と教員の距離感,学生間の距離感がとても近く,教員への質問・相談や学生同士の議論・教え合いを容易に行うことができる本学は,よき法律家になるために理想的な環境であると自負しております。
また,本学法科大学院を修了した実務家が非常勤講師として正規の授業の一部を担当するのみならず,同窓会組織である「晴海会」が学習相談会を開催するなど,修了生が多様な形で学生を支援しています。同じ環境で勉強し法曹として現に活躍する先輩は学生にとってのロールモデルであり,その指導や助言は,きわめて有益なものであると考えています。
社会には,法律家の力を必要とする問題が山積しており,コロナ禍も多くの法律問題を生み出しました。さまざまな形で社会の諸問題に取り組む法律家を輩出してきたことは本学の誇りであり,現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹を養成すべく,法科大学院としても,また,各教員も努力を続けております。
意欲ある皆さんと晴海キャンパスでともに学べることを,また,皆さんのチャレンジをサポートできることを,教員一同,心から楽しみにしております。
法曹養成専攻長 尾崎 悠一
本法科大学院の理念とアドミッション・ポリシー
1 理念
東京都立大学法科大学院の理念は、東京をはじめとする大都市の抱える複雑な問題に対して、それを解決する能力を有する法曹を養成することです。
東京は、大小の企業が多数存在し、東京都をはじめとする公共団体も集積しており、世界的に見ても極めて特徴的な大都市です。
このような巨大都市東京における企業活動、公益活動、さらには国際的な領域での活動など、現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹の養成を目指しています。
2 求める学生像
東京都立大学法科大学院の理念に基づき、複雑な社会現象に高い関心を示し、問題を的確に把握したうえで分析・判断するための論理的思考力を有するとともに、その思考を的確に表現することのできる人
3 入学者に求める能力
- 社会現象への関心
- 社会における問題を的確に把握・分析・判断するための論理的思考力
- 自己の思考を的確に表現することができる能力
- 2年履修課程への入学者については、上記に加え、基本的な法律科目(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)に関する法律学の基礎的知識及びそれを前提とした思考力・表現力(特に、憲法・民法・刑法については、法律学の基礎的知識及びそれを前提とした問題分析力・思考力・表現力)
4 入学者に求める能力の評価方法
<3年履修課程>
入学者選抜では、第1次選抜として、小論文試験を行い、社会に関する既存の文章(法律学の知識を必要とするものではない)を論理的に理解・分析するとともに自ら思考した内容を的確に文章化する能力を備えているかを審査します。
第1次選抜の合格者に対して行う第2次選抜では、口頭試問とともに、出願時の提出書類に基づく書類審査を行い、社会現象への関心をはじめとした入学者に求める能力、及び、現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹となりうる適性を備えているかを審査します。
最終合格者は、第1次選抜及び第2次選抜の成績を総合的に判定して決定します。
<2年履修課程(一般選抜)>
入学者選抜では、第1次選抜として、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の6科目について法律科目試験を行います。憲法、民法、刑法については論述式試験を行い、法律学の基礎的知識及びそれを前提とした問題分析力・思考力・文章表現力を備えているかを審査します。また、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法については簡易論述式試験を行い、法律学の基礎的知識及びそれを前提とした思考力・文章表現力を備えているかを審査します。
第1次選抜の合格者に対して行う第2次選抜では、口頭試問とともに、出願時の提出書類に基づく書類審査を行い、社会現象への関心をはじめとした入学者に求められる能力、及び、現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹となりうる適性を備えているかを審査します。
最終合格者は、第1次選抜及び第2次選抜の成績を総合的に判定して決定します。
<2年履修課程(特別選抜)>
文部科学大臣より認定を受けた法曹養成連携協定に基づき設置された連携法曹基礎課程(以下、「法曹コース」といいます。)に在学している者を対象とする特別選抜として、「5年一貫型教育選抜」及び「開放型選抜」を実施します。
「5年一貫型教育選抜」は、東京都立大学法科大学院が法曹養成連携協定を結んでいる東京都立大学法学部・明治学院大学法学部・信州大学経法学部の法曹コースに在学している者のみを対象とします。この選抜では論述式試験を課さず、出願時の提出書類及び学部成績に基づく書類審査並びに口頭試問により合否を決定します。この書類審査並びに口頭試問では、社会現象への関心をはじめとした入学者に求められる能力、及び、現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹となりうる適性を備えているかを審査します。また、とくに書類審査では、学部成績により、法律学の基礎的知識についての審査も行います。
「開放型選抜」では,東京都立大学法科大学院と法曹養成連携協定を結んでいない大学の法曹コースを修了して本法科大学院に入学しようとする者をも対象とします。この選抜では、第1次選抜として、憲法、民法、刑法の3科目について論述式試験を行い、法律学の基礎的知識及びそれを前提とした問題分析力・思考力・文章表現力を備えているかを審査します。第1次選抜の合格者に対して行う第2次選抜では、出願時の提出書類及び学部成績に基づく書類審査並びに口頭試問を行い、社会現象への関心をはじめとした入学者に求められる能力、及び、現代社会の法律的課題に対応することのできる高度な能力を備えた法曹となりうる適性を備えているかを審査します。最終合格者は、第1次選抜及び第2次選抜の成績を総合的に判定して決定します。
法科大学院の現況及び年次報告書
本学法科大学院の現況及び年次報告書は、以下のリンクからご覧いただけます。
現 況
年次報告書
- 2022年度版(1.7MB)
- 2021年度版(1.5MB)
- 2020年度版(1.6MB)
- 2019年度版(1.1MB)
- 2018年度版(1.1MB)
- 2017年度版(1.3MB)
- 2016年度版(1.1MB)
- 2015年度版(1.1MB)
- 2014年度版(995KB)
- 2013年度版(1.4MB)
- 2012年度版(1012KB)
- 2011年度版(922KB)
- 2010年度版(755KB)
- 2009年度版(757KB)
- 2008年度版(595KB)
- 2007年度版(811KB)
自己評価書(総評価報告書)
本法科大学院における修了率について
本法科大学院における、修了年度毎の修了率(標準修了年限で修了した者の割合)は以下の通りです。
2023年度 71.4%
2022年度 32.0%
2021年度 82.1%
2020年度 79.4%
2019年度 88.0%
2018年度 68.8%
2017年度 60.4%
2016年度 66.0%
2015年度 94.4%
2014年度 83.6%
2013年度 94.3%
2012年度 84.9%
2011年度 89.2%
2010年度 87.1%
2009年度 92.4%
2008年度 82.3%
2007年度 87.3%
2006年度 95.2%
2005年度 93.2%
退学率・留年率
本法科大学院における、年度毎の退学率・留年率は以下の通りです。なお、退学者には除籍者を含み、留年者には休学者を含みます。
年度 | 課程 | 年度当初人数 | 退学者数 | 退学率 |
---|---|---|---|---|
2019年度 | 未修 | 14 | 2 | 14.3% |
既修 | 58 | 1 | 1.7% | |
2020年度 | 未修 | 14 | 0 | 0.0% |
既修 | 66 | 4 | 6.1% | |
2021年度 | 未修 | 16 | 5 | 31.3% |
既修 | 54 | 5 | 9.3% | |
2022年度 | 未修 | 9 | 3 | 33.3% |
既修 | 35 | 3 | 8.6% | |
2023年度 | 未修 | 17 | 2 | 11.8% |
既修 | 67 | 2 | 3.0% |
年度 | 課程 | 年度当初人数 | 留年者数 | 留年率 |
---|---|---|---|---|
2019年度 | 未修 | 14 | 0 | 0.0% |
既修 | 58 | 3 | 5.2% | |
2020年度 | 未修 | 14 | 4 | 28.6% |
既修 | 66 | 3 | 4.5% | |
2021年度 | 未修 | 16 | 3 | 18.8% |
既修 | 54 | 2 | 3.7% | |
2022年度 | 未修 | 9 | 3 | 33.3% |
既修 | 35 | 9 | 25.7% | |
2023年度 | 未修 | 17 | 6 | 35.3% |
既修 | 67 | 3 | 4.5% |
司法試験合格率・進路状況
本法科大学院における、年度毎の司法試験合格率・進路状況は以下の通りです。なお、進路状況は2024年4月時点のものです。
年度 | 課程 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2019年度 | 未修 | 16 | 3 | 18.8% |
既修 | 80 | 19 | 23.8% | |
2020年度 | 未修 | 15 | 3 | 20.0% |
既修 | 72 | 17 | 23.6% | |
2021年度 | 未修 | 10 | 2 | 20.0% |
既修 | 71 | 22 | 31.0% | |
2022年度 | 未修 | 10 | 1 | 10.0% |
既修 | 62 | 16 | 25.8% | |
2023年度※ | 未修 | 6 | 2 | 33.3% |
既修 | 69(18) | 9(3) | 13.0% | |
過去累計 | 未修 | 162 | 71 | 43.8% |
既修 | 669 | 415 | 62.0% |
※2023年度 ( )内は、在学中受験者数(内数)
年度 | 司法試験合格者 | 公務員 | 企業・団体等 | 受験継続・その他 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
修了年度 | 裁判官 | 検察官 | 弁護士 | 修習中その他 | |||
2019年度 | 0 | 0 | 6 | 9 | 0 | 1 | 10 |
2020年度 | 1 | 0 | 2 | 13 | 0 | 1 | 14 |
2021年度 | 0 | 0 | 2 | 7 | 2 | 2 | 21 |
2022年度 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 5 |
2023年度 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 | 17 |
社会人・法学未修者の司法試験合格者数
本法科大学院における、年度毎の社会人・法学未修者の司法試験合格者数は以下の通りです。なお、受験者数を特定できないため、合格者数のみ掲載しています。
修了年度 | 区分 | 法学未修者 | 社会人 |
---|---|---|---|
合格者数 | 合格者数 | ||
2019年度 | 未修 | 0 | 1 |
既修 | 1 | 2 | |
2020年度 | 未修 | 0 | 0 |
既修 | 1 | 1 | |
2021年度 | 未修 | 1 | 1 |
既修 | 1 | 1 | |
2022年度 | 未修 | 1 | 1 |
既修 | 1 | 1 | |
2023年度 | 未修 | 1 | 1 |
既修 | 2 | 1 |
法科大学院教育課程連携協議会
本法科大学院では、専門職大学院設置基準(平成15年文部科学省令第16号)第6条の2第1項の規定に基づき、法科大学院教育課程連携協議会を設置しています。法科大学院教育課程連携協議会は、以下のことについて審議し、意見を述べることを目的としています。
<審議事項>
・授業科目の開設その他教育課程の編成に関する基本的な事項
・授業の実施その他教育課程の実施に関する基本的な事項及びその実施状況の評価に関する事項
<2023年度構成員>
・東京都立大学法科大学院 法学政治学研究科法曹養成専攻長 尾崎悠一教授
・虎門中央法律事務所 今井和男弁護士
・中央大学法学部教授 柳川重規教授
これまでの法科大学院教育課程連携協議会については、こちら(200KB)
法科大学院認証評価結果報告書
東京都立大学法科大学院は、令和5年度に独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が実施する法科大学院認証評価を受審し、大学改革支援・学位授与機構が定める法科大学院評価基準に適合しているとの評価を受けました。
令和5年度実施法科大学院認証評価結果報告書は、 こちら (1.3MB) からご覧いただけます。
<過去の法科大学院認証評価結果報告書については以下をご覧ください>
平成30年度実施 報告書(700KB)
平成25年度実施 報告書(429KB)
平成20年度実施 報告書(487KB)